「もう。」

溜息を吐き
小さく呟くと、
また灰二の気持ち
斜め後ろに並んで
歩き出した。

でも正直
嬉しかったりする。

こういう
やりとりが
また、自然に
出来るよう
になって。

高校に入ってから
私たちは、どちらか
というと近く
なっていた。

私が一緒にいる
友達と灰二の
友達が仲間同士で
よく話したり
していて、
だから話すことも
前と比べて
格段に増えていた。

でもそれは
みんなが
居るときで、
今みたいに
二人で
なんてことは
なかった。

あの頃みたい。

そう思うと
口元が緩んだ。