2m位先に彼がいる。

灰二だ。

私たちは此処に
流れる川に
沿ってある堤防を
歩いている。

歩き慣れた帰り道だ。

小学校のときも、
中学校のときも、
今通っている
高校だって、
この道を歩いて来た。

川原にはいつものように、
遊んでいる子供、
散歩している近所の人、
無数に架かる橋、
そんな変わらない
風景が見える。

でも着実に
時は流れて、
私たちは大きく
なったようだ。

さっきの灰二の手
大きかったな。

私の頭に
乗っかっていた手。

灰二の手。

また大きく、ゴツゴツ
なっていた気がする。