ライカは遠ざかる2人の影を見て安心したようにシートに座り直す。

「ありがとな」

「構わんよ」

 なんだかんだ言ってもベリルは頼りになる。

「金は請求するぞ」

「え? ああ、うん」

 なんだか気が抜けた……ライカは外を見つめて適当に答えた。

 育ての親だったセシエルの事を思い起こす。

『ベリルとセシエルの闘い方は似ている』と言った人がいた。

 確かにそうかもしれない……鮮やかに流れるような動きは見る人を魅了する。

 だからベリルを見ているとセシエルと重なる処があるんだ。

「オヤジ……」

 ライカはぼそりとつぶやいた。