--------私の体が、浮いた。





あたしは驚きで固く瞑った目を、ゆっくりと開けた。







あたしは、仁と向かい合うように膝の上に座らされていた。







「………重」




「…うるさいっ」







まだ流れる涙を、仁はまるでキャンディを舐めるようにペロッと舐めた。







「何泣いてんの?」






いつもより優しい口ぶりと、さっきの衝撃的な行動のおかげでピッタリと止まった涙。






「仁がバカとか言うから…」



「いつも言ってんじゃん」





違うよ。



いつものバカと今日のバカは、全然、違うんだよ…。