「むしろ、君の居姿ですわ……。ですのに、君は、私の心も知らず、座を途中でおたちになって……」

その夜、主上その人の口から持ち出された縁談は、姫と宮との年齢差などのこともあり、先頃まで結論は引き延ばされたままにございました。

とはいえど、一の姫の裳着がお済みになったということは、ひとつの節目にございますれば、いつまでも、そのようなわけにもまいりませぬ。