当然ガソリンを蓄えている給油機は弾丸が命中した事により引火、ガソリンスタンドは大爆発を起こす!

その爆発によって、数十人、もしかしたら数百人はいたかもしれない暴徒の群れが飲み込まれる。

爆風で吹き飛ばされ、凄まじい炎に飲み込まれ、一網打尽にされる。

「…よし、急ぐぞ」

その光景に背を向けて、レイは再び私と共に走り始めた。

…私は彼の機転に言葉を失う。

その場にあったものを利用する臨機応変さ。

この状況下でその発想にいたる冷静さ。

こんな異常事態の最中で、全身に傷を負いつつも、彼は生き残る事を諦めていない。

どんな手段を使ってでも生き延びてみせる。

その強い意志に、私は感銘すら受けていた。