走りながら、背後を振り向く。

追って来る暴徒の数は、先程よりも増えている。

最早島民の全てがナノマシンによって人体改造され、暴徒と化しているのではないか。

そう思わずにはいられないほどの人数だった。

「くそっ!」

何とか彼らを撒く為に、レイは私の手を引いて狭い路地へと入る。

しかし、暴徒達は諦める事なく追って来る。

何としても捕らえる。

何としても殺す。

感情を感じさせない白濁の眼に、静かな殺意を帯びて。

暴徒達は凶器をかざし、執拗に私達を追跡して来た。