急な斜面、道とは呼べないような獣道。

私はレイに手を握り締められ、その荒れた道を駆け下りる。

私一人ではこんな道、とてもじゃないけど降りられない。

何とか下る事ができたのは、レイのサポートがあったからこそだった。

「きついだろうがしばらく我慢してくれ。時間がない。モタモタしていたら俺達も焼却処理のミサイルの餌食になってしまう」

「ええ!」

激しく呼吸しながら、私は頷く。

私だってこの島で、暴徒化した人達に惨殺されたくはないし、ミサイルの炎で焼き殺されるのはもっと御免だった。