びりびりと悲鳴を上げる左腕で体を支えて何とか立ち上がった。

 感覚を失った右腕は肩から力なくぶらりと垂れ下がる、爆風で吹き飛ばされて壁に打ち付けられた際に、どうかしてしまったようだ。

 全身が軋み、あちこちが切り傷で痛む。そのせいで思うように動かない足を引きずりながら、それでも二人の側へ辿り着こうと私は必死で体を動かした。

「母さん……」

 ようやく手の届くところまで来て、途切れる吐息から必死で搾り出した私の呼びかけに答えが返ってくることはなかった。

 レンを守るかのように覆い被さる母の身体にそっと触れる。

 何の反応も無い。

 固く結ばれた口元に耳を寄せるも微かに漏れる吐息すら聞き取れない。

 母の胸元にしっかりと抱え込まれて、レンは明るく綺麗だった青い瞳を閉じ、小さな唇の端にうっすらと血の跡を残している。

 拭ってやろうと伸ばした指先に一瞬伝わった冷たさに、反射的に身体がびくりと震え、鼓動が跳ねた。



 二人は、もう……