こんにちは、バカップルです。

俺と目が合うとニコッと笑う芯はいつもと違う顔をしてた。



メイクされてる…。



すっぴんでも全然イケんのに…。



あれで抱き着かれたらファンデ付くんだろうなぁ~…。



でも素顔こそ見せたくないかも。



だって超カワイイんだもん。



「ココチャン、顔硬い」

「すいませんっ!!」

「TSUKASA君に笑われちゃうよ~?」

「司は笑いませんもん…。超優しいです…」

「そうなの!?」

「はい」

「ん~、いい顔!!」



俺の話しをして笑顔になった芯にまたズキュン…。



ラブだな芯チャン。



そして無事に終わった芯の初仕事。



「どう?」

「ニヤケるほどカワイイ」

「プロ目線で…」

「キャワイイ…萌えっス」

「話しになんないねTSUKASA君…」



プロ目線で客観視なんかできるわけがない。



だって愛する俺の彼女だから。



着替え終わってパタパタと駆け寄って来た芯をギュッと抱きしめた。



「楽しかった!!」

「うん、なによりです」

「司とデート…」

「したい?」

「うん」



たいした場所に連れて行ってなかったからちょっとサービスしよう。



芯が行きたいって言った巨大テーマパーク。



「うわぁ~!!見て見てっ!!超カワイイのが歩いてるっ!!」



はしゃぎだした芯を見て俺も笑顔になれる。



楽しい?なんて聞かなくてもわかる純粋な笑顔とキラキラの目。



芯といると全てが新鮮で全部新しいことに思える…。



偉大だな、愛って。



「司っ!!これ食べていい!?」

「買ってやるから手繋いで?」

「いいの!?」

「ん…」

「ありがとう!!」



350円のアイスでこんなに喜ぶなんて…。



安いな芯チャン。



そんなとこが大好きだ。



「芯」

「なぁに?」

「一口」

「あっ!!か、かじった…」

「甘いっ!!」

「つつつつ、つか、司が…食べてよ…」



間接キスはダメなんですか!?



たくさん遊び回ってから家に帰ったらクタクタの芯がソファで居眠りを始めた。



ガキみたいで超~~カワイイんです。



「俺も行きたかった…」

「はぁ!?彼女と行けよ…」

「いねぇもん!!俺今まで彼女いたことねぇもん!!」

「えっ、DT?」

「なにそれ?」

「ドーテーですか?」

「悪いかよ…」



要ってやっぱりカワイイ。



そんなお前も好きだ。



このままずっと友達でいたいと初めて思える存在…。



奏介も今頃実家でなにしてんだろうな~。



また親と揉めてたりして…。



「司、水原寝たけど…」

「見んなっ!!芯チャンの寝顔は俺だけのだから!!」

「はいはい…」



風呂にも入らず寝てしまった芯を俺の部屋に運んだ。



今日も幸せ感じて寝るんだ。



このまま一緒に住みたいと思うのは間違いですか?



ズット俺のそばにいればいいのに…。



おやすみ芯チャン。



【芯】



彼氏ってこんなに尽くしてくれたりする生き物なの?



目の前の小さいケーキと四角い箱…。



「1ヵ月記念日だから!!」



1ヵ月だよ!?



まだ1ヵ月!!



なのにお祝いしてくれるの?



しかもプレゼントまで…。



「開けて開けてっ!!」

「うん!!」



箱を静かに開けてみると、司の携帯と色違いの携帯が入ってた。



感動…。



司の愛情に触れた瞬間だった。



「親父名義だから俺にかけてもタダ!!基本料金だけだからお金の心配しなくていいの!!」



あたし…嬉しくて泣きそうです。



しかも絶対気を使う通話料がタダとかって…。



「ありがとう…。でも高かったでしょ?」

「俺が芯と連絡取りたいの!!だからこれは俺が自分のためにしたこと!!」



司の気持ちが嬉しいよぉ…。



だから大好き…。



このままこの話しはもうしないで司に甘えよう…。



コレを返しても絶対司は受け取らないと思うし…。



「あとね、芯チャン絶対カワイイと思うからコレ買った!!」

「これって…」

「浴衣~!!花火見に行く約束したから」

「チューしていい?」

「してくれんの!?」

「大好き…」



とんでもなく大好きなんですけど!!



頭のなか全部司だ…。



「芯?なんか匂いが違う…」

「わかる!?この前お仕事に行った時に先輩モデルさんに香水もらったの!!」

「誘われてる気がする…」

「誘ってないですよ?」

「うん…」



司は我慢してくれてるんだ。



でもあたしそんな勇気ないもん…。



「チューで我慢してね?」

「乳揉みたい…」

「揉ませる乳がない」

「いいの!!ちょっとだけ!!俺もう…限界…」



司がマジです…。



でもお風呂入ってないし心の準備なんか全くしてないし!!



こんなに佐々木の爆乳が羨ましいと思ったことはない…。



「イヤだ…」

「うん、なにもしない…」

「一緒にいるだけでいいの…」

「そうだよな、俺も一緒にいるだけで幸せ!!」



司の気持ちが嬉しい…。



愛されてる気がするんだもん…。



「ケーキ食わせてやる~!!」

「あ~ん!!」

「んまい!?」

「うん!!すっごい美味しい!!初めてこんな美味しいケーキ食べた…」

「そりゃあよかった!!」



司が食べさせてくれたケーキは今まで食べたことのない上品な味だった。



都会のケーキはうまいです…。



その日はずっとくっついてて、もちろん寝るのも一緒!!



明日のお仕事頑張れるよ…。



初めて司より早く起きて仕事に向かった。



「お、おはようございますっ!!」

「…………」

「挨拶は基本ですよ?」

「うるさい」



先輩が怖いです!!



朝早いから眠いのかな…。



司みたいになりたくて司に近付きたくて…。



「ココチャンいいよ」

「本当ですか!?」

「うん、もっと笑って?」



司のために笑うんだもん。



隣に置いといても恥ずかしくないような彼女になりたい…。



だから頑張って成り上がるんだ。



「あんたTSUKASAの彼女なんだってね」

「はい!!」

「いいよね、司って」

「いいですよね、大好きです!!」

「そういう意味じゃ…」

「どんな意味ですか?」

「相性はよかったのに彼女なんか作っちゃってさぁ~、もう遊んでくれないかな?」



相性って占いかなんか?



あたしと司の相性は!?



ん?



『もう遊んでくれないかな』って?



この先輩は司のお友達ですか!!



「女友達を否定するような心の狭い女じゃないんで遊んであげてください!!あたしだけ独占するのもイヤだし…」

「…………無垢って怖いわ……。あんたカワイイね、名前は?」

「COCOです!!よろしくお願いします!!」



ちょっと可愛がられた!!



ここに来てからあんまり経ってないから道もよくわからないしお金がないあたしは仕事が終われば家に帰るだけ。



今日はママさんがいた。



「おかえり芯チャン!!」

「ただいま!!要は仕事ですか?」

「そうみたいだよ?ねぇねぇ夜ごはん食べに行こうよ!!」

「あたしお金ない…」

「そんなの子供は気にしないの!!しかもあたしが誘ったんだからいいんだよ~。それにね、娘と買い物とか超憧れてたの!!」



娘だって…。



嬉しいよぉ~…。



あたし、こんなに幸せでいいのかな…。



ママさんの車に乗って中華料理のお店に来た。



本当にテーブルが回るんだね!!



「いっぱい頼んでいっぱい食べようね!!」

「いっぱい…食べます!!」



初めて食べた名前も知らない中華料理は物凄く美味しかった。



フカヒレとかアワビとか初めて食べたよ~!!



同じ境遇で育った要に勝った気分だ…。



ニコニコしてるママさんとそのまま服を買いに行ったらあたしにまで買ってくれた…。



「下着はいいの付けたほうがいいよ?」



とか言って下着まで!!



お家に帰ったらファッションショー!!



買った服を着まくってママさんととにかく部屋を汚した。



「おいっ!!花梨!!」

「あっ、おかえり!!今日芯チャンとご飯食べたの!!」

「メシ食っただけじゃこんなに服で部屋汚さないだろ…」

「今は女の子の時間なの!!カワイイ?」

「ん、世界一カワイイ」

「大好き~!!」



あたしも司に抱き着きたいっ!!



早く帰って来ないかな~、なんて思ってたら要がヌーッと現れた。



元気なさ過ぎっ!!



「どうかしたの!?」

「ダメ出しばっかりで…俺自信ねぇよ…」

「要って打たれ弱~い。そんなんじゃ成り上がれないよ!!」

「ん、成り上がんだったよな!!俺、頑張る!!あ、水原の服カワイイな!!」



要じゃなくて司に褒められたいのに!!