「美波も企むときは、ああいう顔をする」
何かを思い出したのか、くくっと喉を鳴らして笑うと、タクさんは奥にいる颯をチラリと見やった
「美波があーちゃんに会いたいって言ってた」
「止めてくださいよ」
冗談だと思っていたら本当だったらしく、明日待ち伏せするらしい宣告を受けた
一体何の用事なんだろう
美波さんのことだから、変なことに巻き込まれる気がするのは気のせいだろうか…
「ほら、企んでた」
声に顔をあげると、2人が奥の席から戻ってきた
タクさんの言葉の意味もすぐに理解した
真緒の顔が変だ
不細工になってる
眉間をぎゅっと寄せて、ブスッとしている
一体この短い時間の間に何があったんだ?
真緒を家に送り届けた瞬間まで、ずっとブスッとしたままだった
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