「新、これなのにあれだろ?なのにモテるわけっ。何でなんだろね。俺のが可愛い系でモテると思うんだけど。真緒ちゃんはどう思う?」
一気にまくしたてるように話すと、にこにこと椅子の前に両手をついたまま真緒を見上げる
真緒はというと、ポカンとしたまま
「新、俺真緒ちゃんと内緒の話あるから」
いまだポカンとしっぱなしの真緒の手を引いて、颯は店の外へと出て行った
一体初対面の２人が何の内緒話をするというのだろう
呆気にとられていると、タクさんの低い笑い声が聞こえる
「ありゃ悪巧みだな」
「え?」
「あいつが何か企んでるときと同じ顔してる。楽しみで仕方ないって顔」
「あいつって、美波さん?」
俺の答えに、タクさんは笑って頷いた
美波さんというのは、タクさんの彼女で俺と同い年
初対面から変わった人で、同い年だという話になったのに
「美波さんって呼んでいいよ、あーちゃん」
何故か上から目線で話してきた
強烈な女の子
でもタクさんの前では可愛らしくなる女の子
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