カランと軽やかな音が静かな店内に響く



ゆったりとした音楽の流れる室内は夜とは雰囲気がガラリと変わって柔らかい雰囲気



「わぁっ!」



後ろから顔を覗かせた真緒は目をパチパチさせて、すぐに後ろから前へと飛び出した



「思ってたのと違う?」



「へへっ」



恥ずかしそうに笑うと、横に戻ってきた



知らない場所ではしゃいだのが恥ずかしかったらしい



「あーっ!!真緒〜っ!!」



指を差し、その指をぶんぶん振り回しながら飛んできたのは颯



「新っ新っ真緒?」



興奮しすぎて何を話してるかわからない



とにかく頷くと、颯は固まったままの真緒の手を握り振り回すように握手した



「俺、颯!親友、新の大親友っ!!真緒ちゃんに超会いたかった!」



颯は屈託のない笑顔で真緒の警戒心を解いたようで、真緒も挨拶を返していた



颯は人との壁を取っ払うのが上手い



初めて会ったのにそんな気がしない不思議な人間で



俺から言わせれば颯の方が宇宙人だと思う



きっと催眠術とか使ってるはず



そういうのが苦手だから尊敬してる部分でもある



「颯そろそろ落ち着け」



低くて優しい声、呆れたよいな、笑いを含んだ声がカウンターから聞こえた










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