本当は友達んちや、野宿をしてる
なんて言えなかった
真緒が好きだから
家族も家も何もない俺が、お世話になってる家の女の子を、
全て失った暗闇の中、やっと見つけた光を
失いたくはなかった
そんなこと、真緒に言える訳ない
おばさんに言えるはずない
だから家を飛び出した
始めた嘘は、引き返せなくなってて
嘘に嘘を重ねた
経験なんてないから、颯と話してすぐ付き合って別れればいいってことになった
これで真緒が俺を軽蔑してくれたら
俺から距離を置くのは出来そうにないから、真緒から置いてくれればいい
すべては俺の我が儘
距離を置かないと苦しい
嫌われたくない
会いたい
出来れば誰のモノにもなってほしくない
淡い期待、小さな願いは叶うことはなかったけど、
相手が芯ならいい
大好きな二人だから
大切な人だから
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