「俺、思うんだけど…今日の訪問に何か意味があったのかよ」

車を運転してる元が、ぼそっと呟いてきた

「ああ…どうかな?」

わたしは助手席に座って首を捻った

本来なら、後部座席に乗るのが普通なんだけど

なんか、元に『助手席に座れ』って言われて、すんなりと座ってしまった

恋人同士みたいでちょっと嬉しいなあ…なんて思ったんだけど

元はさっきから不機嫌だ

むすっとして、じとーっとしてる

苛々オーラ満載で…怖い

「意味があったのかよ」

「だから…わかんないよ、そんなこと」

つい、わたしも怒鳴ってしまう

はあ…甘い恋人ムードってわたしたちには程遠い気がする

いいなあ

有栖川は……恋人と仲良くしてた

わたしが入り込む隙がないくらい信頼し合ってる

羨ましいよ