「わたしの質問を聞いてる?」

「え? …ああ、えっともしかして
有栖川の見合い相手の女性?」

私は冴子に助けを求める

冴子はため息をつくとこくんと頷いた

「わたしは椎名乙葉と申します」

「はあ…私は滝沢愛子です」

私はぺこっと頭を下げた

「聖一郎に会いたくなっちゃってぇ…」

「そりゃまた、良いことで」

私はとくに聞きもせずに、受付にあるパイプ椅子に腰をおろした

ここで動揺をしている場合じゃないのよ

竜ちゃんとの旅行について、有栖川に話すって唱えてないと忘れちゃいそう

「聖一郎って格好いいわよね?」

「はあ…そうですか」

竜ちゃんとの旅行…どうやって切り出そうかな?

「聖一郎の指ってエッチよね?」

「はあ…良かったですね」

一度、断ったこと…まだ有栖川に言ってないから

そこから話すべきかなあ