「あいつに抱きつく必要があるのかよ」

聖一郎がいなくなると、ぼそっと背後で聞こえてきた

え?

ナニ?

わたしが振り返ると、ものすごい怖い顔をしている元が見下ろしていた

「な、なんだよ…」

「意味がわからねえんだよ
乙葉の好きな男は俺なのか?
それともあいつなのか?」

もしかして嫉妬してる?

焼きモチなんぞを焼いて、イライラしてくれているのか?

本当に?

効果アリか?

やったぁ!

嬉しいなあ

鉄面皮の表情を崩したぞぉ

顔が緩むぅ

笑顔になっちゃうよぉ