『聖一郎、滝沢家を潰しなさい』

『滝沢家の女は悪魔よ
男の生気を吸い取って、わたくしから全てを奪ったわ』

『聖一郎、華道界のトップを奪うのよ』

『聖一郎、滝沢愛子から全てを奪いなさい
生きていく力を失わせるのよ』

『聖一郎…』

『せいいいちろう…』

聖一郎…せいいちろう…セイイチロウ



僕は母上の操り人形じゃない!


「…ありすがわ…
……ちょっと、有栖川っ!」

パチンっという音と同時に、僕は両側の頬に痛みを感じた

僕の眼前には、愛子さんの怖い顔が待ち構えていた

「聞いてるの?」

「え?」

「はあ…目を開けて寝てたのね」

愛子さんが、呆れたようにため息をついた