「へい、持ってきたよ」

竜ちゃんが、大きな段ボール箱を一つ持ってきた

「その中に、教材と制服が入ってるから」

勇人さんが私に教えてくれる

「あ…はい」

「当日、持っていくものとかは…莉子に聞くといい
同じクラスにしてもらった」

「え?」

私は、勇人さんの顔を見る

「全く知らないクラスに、放り投げられるよりいいだろ?」

「はい」

「馬鹿之介も一緒だが、気にするな」

「そうします」

「愛子までっ!」

竜ちゃんが、私に文句を言いたそうな顔をして言ってきた

「嘘だよ
同じクラスになれて、嬉しいよ」

私が笑うと、竜ちゃんはほっとしたように肩を撫でおろした

「楽しみだな、莉子」

竜ちゃんが、笑顔で口を開く

「うん、楽しみだね」

莉子さんが、私の手をそっと握ってくれる

「楽しい思い出を作ろう」

「うん、ありがとう…莉子さん」

「こちらこそ」

私と莉子さんは、手を繋ぎ合い微笑みあった

楽しい高校生活になると、いいなあ

また高校生になれるなんて、思ってなかったから

すごく嬉しいよ