私は莉子さんと目を合わせると、肩を揺らして笑った

竜ちゃんってこんな一面もあったんだね

私の知らない竜ちゃん

だけど、もう…いいんだ

竜ちゃんは私とは違う人生を歩んでる

私も、竜ちゃんと違う人生を歩むと決めた

竜ちゃんの知らない面があって当然であり、竜ちゃんだって私を知らない部分がある

「竜ちゃんは、勇人さんに鍛えられるといいんだよ」

私の言葉に、竜ちゃんが『げ』と声をこぼす

勇人さんは勝ち誇ったように鼻を鳴らして、嬉しそうに胸を張った

「そうね
でも…鍛えられた藤城君って想像つかないよね
やっぱ弱キャラが藤城君にはぴったりだよ」

「そうだね
強い竜ちゃんってちょっと嫌かも」

「マッチョな藤城君も」

「うわっ…きもっ」

私と莉子さんは、身震いをする

「なんだよ、なんだよ
俺ばっか、責めてさぁ…」

「イジられキャラなんだから、素直にイジられてろ」

勇人さんが、声を出して笑った