僕は事務所で、今日の授業で使う花の確認をしていた

本当は、飯島さんの仕事なんですけど、ついさっき生徒希望の人が来て説明をしているんですよね

だから、僕が授業の教材を確認して…

「聖一郎さん、ちょっといいですか?」

飯島さんの大きな声が、カウンターのほうから聞こえてきた

僕は、手を止めると、カウンターに向かう

事務室に入ってきたばかりの高波さんと僕は目が合った

僕を怖い顔で見て、大股で近づいてきた

「どういうことです?」

息をきらしている高波さんが、カウンターのテーブルを叩いた

その手の平から、一枚の紙が見える

小切手だ

僕が昨日、高波さんに渡した小切手が、テーブルに叩きつけられていた