僕と愛子さんが遊びだなんて…絶対に言いたくないのに

口にして…すっごい悲しい気分ですよ

「そうですか
実は…愛子ちゃんの婚約者とも仲良くさせてもらってるんですよねえ
確か…藤城竜之介君…」

高波さんの声が、一段と明るくなる

さらに金額を跳ね上げるつもりですか?

「えっ? どうしてその名前を…」

「だから仲良くしているって言ったじゃないですか
そっちの口止め料はどうします?」

「…わかりました
いくらですか?
滝沢さんとのことは…絶対に話さないでくださいよ
僕もそうですけど、滝沢さんだって…相手方から破談にされたくありませんから」

低い声で僕は言葉を吐き出した

…って

僕の見合いは破談になれるものなら、さっさとしてしまいたいくらいですけど

それは…高波さんにしてもらう必要ないですね

僕自身で解決しないと