「そこで、あいつの次の行動を考えてみた
たぶん、高波の次の行動はあんたに接触してくるはずだ
愛子に婚約者がいるか、探りを入れてくるだろう
んで、あんたが知っているようなら、脅してくる
必ずな
婚約者のいる女性に手を出している男だと言いふらす…とか言ってな
金を要求するはずだ」

「詐欺の次は恐喝ですか?」

僕はふっと笑った

「一度罪を犯した人間は、どんどんと罪状を増やすものだ
感覚が麻痺するんだろうな」

高波さんの目が、僕に向くならそれでいいですけど

愛子さんに怖い思いをさせたくありませんからね

僕を脅す分なら、いくらでもして欲しいですね

「僕なら、平気ですよ
愛子さんが脅されないなら」

「いや…両方を脅して金を貰うはずだ
愛子に要求する金額は可愛らしいだろうけど、有栖川さんに要求してくる金額は凄いと思いますよ?」

「払う気はないですから」

僕は口を緩めて、微笑んだ

「まあ、払うようなそぶりはしてくださいよ?
罪状が増えて、俺は嬉しいんですから」

小山内君が楽しそうに頬を持ち上げる