「メールを読みました
お話とは何でしょうか?」

僕の言葉に、愛子さんがくるっと首を動かして僕の顔を見てきた

「メール?
ナニ、それ」

え? 知らないんですか?

僕は小山内君と愛子さんを交互に見やった

「俺の判断でメールをした
今日の出来事を話しておく必要があると思ったからな」

「平気だってば!」

「あんたの心情を心配して言っているんじゃない」

「え?」

小山内君の言葉に愛子さんが驚いた顔と同時に、悲しそうな顔をした

「藤城、桃香…愛子と一緒に席を外してくれ」

「わかりました」

藤城君が立ち上がると、愛子さんの肩を叩いた

「行こう」

「どうして? 私は聞いちゃいけないの?」

「ああ、聞いて欲しくないね
俺が席を外せと言ってるんだ
怒る前に、席を外せ」

小山内君が低い声で、愛子さんを睨んだ

僕は、愛子さんの視界を遮るように前に立つ

そんな怖い顔で、睨まないでくださいよ