「…で、あんた
俺の愛子に何してわけ?」

お…俺の、ですかぁ?

私は思わず顔が引きつりそうになった

ちょっと前だったら…喜んでいたかもね

竜ちゃんに『俺の』って言って貰えた…て

でも今は、竜ちゃんには申し訳ないけど、かなり寒い

嬉しい気持ちはもちろんあるけど、それ以上に寒気が走っちゃう

だって竜ちゃんの好きな人は、莉子さん

私の好きな人は有栖川だから

もう、二人の生きる道は別れたから

なんか、違和感があるよ

「何も知らないの?」

「ちょ…高波さんっ!」

私は涙目で高波さんを見て、首を振った

有栖川とのことを言わないで…と言わんばかりに

…ってちょっと演技じゃなあーい

これって!

私は女優よぉ

天才役者よ