「そうなんだ。お小遣いはいくら貰ってるの?」

え?

あれ?

それは勇人さんと話してないや

早くも予想外な展開ですよっ!

焦るな、私

「お小遣いですか?
さあ?
知りません
口座に勝手に入れておいてくれるので」

これで大丈夫か?

なんか変な汗が噴き出しそうだよ

「そうなんだ
じゃ、口座にはいくらあるの?」

きたぁ!

これよ、これ

私が欲しかった質問よ

「さあ?
毎回気にしているわけじゃないので500万くらいかしら?
たぶん最低でもそれくらいはあるはずよ」

私はにこっと微笑んだ

高波さんも顔が一瞬、緩んだ

醜い欲望の皮がちらっと、笑顔の仮面から見えた