「邪魔をする」

そう言って、有栖川の見合い相手である乙葉さんがダイニングの椅子に座った

むすっとして、口の端を下に曲げていた

「好きな人と何かあった?」

私はご飯を頬張りながら、質問をする

「なんでわかるんだ」

「だって顔に書いてあるもん」

「そうか」

こくんと私が頷く

乙葉さんは、はああっと深いため息をつくとテーブルに肘をついた

「振られた」

「え? なんで?」

「知らん」

乙葉さんは長く綺麗な黒髪をぐしゃぐしゃにする

綺麗なストレートな髪の毛だなあ…

お手入れとか大変そう

私も伸ばしてみようかな…

でもお手入れがきっと大変だろうな

そう思うと、ロングは面倒か