私たちが二人で帰るということに変わりはない。
けれど・・・・・・
  変わったことはある。

それは・・・
咲ちゃんが私の前を歩いてないということ。隣で楽しそうに喋っている。
あと、イヤホンだってしていない。



会話が一言もなかった昨日までの帰り道なんて、この光景を見た人は信じられないだろう。
私だって、夢じゃないかって不安だもん。
暗くなった道には二人の笑い声だけが響いていて、電灯で出来た光には、ぎこちなく手を結んでつながっている一つの影がうつっていた。