『多分、玲奈は結構不安に思ってたと思うから。
でも、咲斗たち見て思った。

やっぱり、お互い言いたいことあったら全てさらけ出して言わなきゃ、伝わらないんだよ。』


確かに。
あの二人が特別不器用なのもあるだろうけど・・・・・・
あの二人はいい例なのだろう。

『俺は今、蜜柑のことをなんとも思っていない。
しいて言うなら、手のかかる妹? そんな感じ。
でも、玲奈は違うから。
本当にかけがえのない存在だよ。
不安なんか感じなくていいんだから!
分かってくれよな?」
私は小さく笑った。

「分かってる。

賢は、私のことを大切に思ってくれてる。
私も、賢のことが本当に必要だからね?」
私たちはお互いに笑いあうと、どちらからということもなく手をつなぎ校舎のほうへ向かっていた。