泣き出した瞬間、後ろから誰かに抱きしめられた。
人の温かさが身にしみる。

この感じって・・・
「賢・・・・・・?」

『玲奈、ごめんな。
蜜柑との噂聞いたよな?
そのことで、泣いてたんだよな・・・・・・』
僅かにまわされている腕に力が篭もる。

やっぱり・・・相変わらず鋭いな。
賢は私の前にやってきた。
賢は真剣な顔で私に目線を合わせてる。
何か、大切な話なのだろう。


『蜜柑と抱き合っていたときに、一切変な感情は入ってなかった。
まず、それだけは信じて?』
そんなまっすぐな瞳で言われて疑えるわけがない。