賢ちゃんは殴られたところを押さえながら、咲ちゃんが殴ったときに乱れた机を直し始めた。
『蜜柑ってさ・・・・・・
とことん鈍いよね?』

「?」

「鈍くないけど?
あのさ、賢ちゃん!
ごめんね、抱きついたりして!
その・・・・・・なんか安心しちゃって」
賢ちゃんは優しく笑った。
『分かってるよ?
まず、人肌に触れたら安心するからって蜜柑を引き寄せた俺が悪いしな♪

         ・・・・・・何かあったんだろ?』
私は小さく頷いた。

『玲奈と話したら?
そっちのが話しやすいだろ?
あっ・・・・・・でも、そろそろ人が来始める時間だから後でのがいいかもな?』

「うん! 賢ちゃん、本と~うにありがとう!
大好き!!」
私の言葉に賢ちゃんは頬をかき、困った顔をした。
『蜜柑・・・・・・それ友達としてって分かってるけど、あまり言わない方がいいかも』

「ぇっ・・・・・・言葉って伝えやすいのに。
分かった! もうあんまり言わないようにする。
ありがとね、賢ちゃん♪」
そう言ったところで人が教室に入ってきたのでこの話題はやめた。