確か毎年のバレンタインも咲ちゃんは優しくて、私は咲ちゃんのことを諦めなかったんだよね。
毎年毎年、義理チョコと称して本命チョコを渡しに行ってた。
咲ちゃんは、好きな人が・・・玲奈がいたから本当は他の子からのチョコは受け取りたくなかったのに、

『ありがとう』
そういって、受け取ってたよね?
私も・・・そのうちの1人なんだけどさ。


色々と思い出していると、ノックの音と共に咲ちゃんが部屋に入ってきた。

『遅くなって悪いな!
ココア買ってきたけど飲めるか?』
咲ちゃんは私の好きなメーカーのココアを手に持って聞いてくる。
 
一階に自動販売機があるのに、私の大好きな飲み物が違うメーカーのココアだから、わざわざそれが売ってる近くのコンビにまで行って買って来てくれたんだね。
私が頷くと咲ちゃんは缶を渡してきた。

「ありがと・・・・・・」