蜜柑のことだし蝶々でも追っかけていったのかと思い、原っぱに行ってみたが蜜柑はいなかった。
・・・どこに行ったんだ!?
時計を見ると、すでに七時を回っていた。
玲奈ならまだしも、蜜柑がこんな時間にうろうろしてたら危ないだろ・・・・・・

前杉蜜柑は、俺の彼女だ。
女子からも男子からも人気がある。
だが、当の本人は鈍いから気づいていなくて、人というものに全く警戒心を抱いていない。

ものすごく、「ふわふわ」や「ポケーッ」というような言葉が似合うようなやつだから夜なんて本当に危ないんだ。

さっきから電話してもつながらないし・・・
あぁ! もう!!
あいつにかけるしかないか。
蜜柑になんかあったら嫌だし。

プルルル・・・
という発信音のあとに女の声が聞こえてきた。