「待って!
ねぇ、咲ちゃん!?
ッ痛っ・・・待っててば!」
私のはるか前を歩く咲ちゃんからはもちろん返事がない。
イヤホンをつけて私の前をズカズカ歩いているんだから、私の呼びかけに気づいているはずがないんだけど。
一緒に並んで歩いてないってだけで・・・悲しいのに。
転んだのにも気付いてもらえないって、なんだか惨めになるよ。
前を歩く咲ちゃんを見て思う。
今日は、いちだんと不機嫌だ。
もうすぐ、付き合って一年になるのにな。
いや・・・これは付き合ってるって言うのかな?
私は、前杉蜜柑(マエスギ ミカン)。中学3年。
大好きな人に付き合えって言われて、付き合い始めてからまもなく一年。
私の前を歩く彼の名は森久保咲斗(モリクボ サキト)。私の幼馴染兼一応・・・彼氏だ。
目尻に浮かぶ涙を拭って、転んだときに汚れたスカートを掃う。
何事もなかったように立ち上がって、なるべく咲ちゃんに遅れないように・・・
それでも、咲ちゃんから三歩くらい下がったところを歩く。
・・・私は、江戸時代の女の人かっての。
隣を歩く勇気がないのは、自分だけど。
ねぇ、咲ちゃん!?
ッ痛っ・・・待っててば!」
私のはるか前を歩く咲ちゃんからはもちろん返事がない。
イヤホンをつけて私の前をズカズカ歩いているんだから、私の呼びかけに気づいているはずがないんだけど。
一緒に並んで歩いてないってだけで・・・悲しいのに。
転んだのにも気付いてもらえないって、なんだか惨めになるよ。
前を歩く咲ちゃんを見て思う。
今日は、いちだんと不機嫌だ。
もうすぐ、付き合って一年になるのにな。
いや・・・これは付き合ってるって言うのかな?
私は、前杉蜜柑(マエスギ ミカン)。中学3年。
大好きな人に付き合えって言われて、付き合い始めてからまもなく一年。
私の前を歩く彼の名は森久保咲斗(モリクボ サキト)。私の幼馴染兼一応・・・彼氏だ。
目尻に浮かぶ涙を拭って、転んだときに汚れたスカートを掃う。
何事もなかったように立ち上がって、なるべく咲ちゃんに遅れないように・・・
それでも、咲ちゃんから三歩くらい下がったところを歩く。
・・・私は、江戸時代の女の人かっての。
隣を歩く勇気がないのは、自分だけど。