里奈が二本目のアイスを食べ終わる頃、大介と唯が来た。

「お前らが行きたいって言ったくせに遅すぎるだろ」

「ほんと、最悪です。この暑い中どんだけ待たせるんですか」

隣で里奈が訳の分からんことを言っていたが、俺は無視して再び二人に文句を言おうとした。
けれども、言い出そうとしたところで大介のいいわけに遮られた。

「ごめん、家に帰ったら母親がいなくてさ、一緒に住んでるばあちゃんが買い物から返ってくるまで弟の面倒みてたんだよ。家に帰ったら弟一人だったんだぜ?ったく、俺の母親は何処に行っちまったんだよ」

よし、とりあえず大介のいいわけには納得することができた。大介の弟はまだ小さいからその辺は大変なんだろう。
小さい子を一人家にのこしてどっかに行く母親もどうかと思うが。
小さい頃から俺を自分の息子のように可愛がってくれた人だから、そんなことを平然とするような人ではないと思うんだが。

「大介の遅刻の件はわかった、唯、お前はなんでだ?」

大介の隣で団扇で扇いでいた唯はなんの悪そびれた感じも無くさらっと言い放った。

「昼寝」

と。