一人ホッとしていると、パチンッ!と軽快な音と共に私のおでこに激痛が走った

イタッ!!
デコピン!?
なっなんで?何で、ナンデ??

おでこを押さえてカズキを見ると、怒ったようなでも悲しんでいるような表情を浮かべている

「この…バカ!
なんで話さないんだよ!

何かに悩んでることぐらい俺もサキも気付いてたよ
そんなに俺頼りない?
…ッタク、心配かけんなよ…」

その瞬間、グイッ!とカズキに腕を引かれ

えっ!?ええええー!!

気付けばカズキの腕の中
私の心臓は苦しいくらいに騒ぎ出す
どうしたらいいのか分からず、目をぎゅっと瞑り身体を固くしていると、頭上からボソリ『よかった…』そう言うとカズキは、はぁ~と大きく息を吐いた

カズキの心臓が自分より速く脈打っていることに気付く

どれだけ心配かけていたのだろうか…

「ごめんなさい…」

口にした途端に目頭が熱くなり、改めて恐怖感から解放されると、今更ながら足がガクガクと震えだし、まともに歩けない私は、カズキにおぶられて、近いからとカズキの部屋へ向かった。

途中すれ違う人の視線に恥ずかしくなり、大丈夫だから下ろしてくれと何度も頼んだが、
『心配かけた罰』と聞き入れてくれなかった

でも、そんなに恥ずかしいなら自分の背中に顔を埋めてていいよって

余計恥ずかしいんだけどな…
思いながら、速くなる鼓動を止められないままカズキの家に着くまでずっと背中に顔を埋めていた。