「カズキ…?」

私が呟いた瞬間、イテテテテッ!とウエハラ先輩が顔を歪め、私の肩を掴んでいた手はカズキに後ろでネジあげられていた。

「先輩、やり過ぎですよ
これ以上ルリカにつきまとうなら俺がただじゃおきませんよ
それに先輩のやっていることストーカー、立派な犯罪です
警察にも行きますからね」

今まで見たこともない、怖いくらいに冷静な口調でカズキが言った

少し青ざめた顔のウエハラ先輩は、肩を擦りながら『フン、そういうことか…』苦笑いを浮かべ、呟くと

「分かった、もうつきまとわないよ
でも、お前だけはぜってぇ認めねぇ」

ヨタヨタと去り際『覚えてろよ』と言ったウエハラ先輩の言葉に言い知れない不安を覚えたが、カズキは気にすること無いといつもの笑顔をみせた。