しばらく、座ってあたしが泣いていると、目の前にハンカチが現れた。
でも、それを持っていたのは人ではなく、

「まじっくはんど・・・?」

だった。マジックハンドには青いハンカチが握られていた。そして、そのマジックハンドをもっているのは郁人君だった。

「ホントごめん。そんなに怖がると思ってなかった。・・・・でも、俺普通はこんな喋り方だし、学校のときみたいに気ぃきかせられねぇ。   だけど、ちゃんと近づかないようにするから。」

「うん。」

マジックハンドからハンカチを受けとって、少し安心した。
解っている。こんな男嫌いは異常だと。

それから郁君はマジックハンドであたしの頭をなでた。

「こんなんでしか、慰めらんねぇから・・・」

「うん。ぁりがとぅ」