え?なんで近づいてくるの!?

「なんでっ。ちょっとやめ・・・」

そこで壁にぶつかってしまった。じりじりと郁人君が近づいてくる。

「俺を見てよ。ねぇ。・・・・・・・っ!」

郁人君があたしの1メートル範囲にはいったくらいだった。郁人君が立ち止まった。

「っ・・・ぇっく・・・ゃだ・ぁ・・・」

「えっ。なんで泣いて・・・。ごめ・・俺そんな・・・。口だけだと思って・・。からかっただけだったんだよ。本当ごめん」

怖い怖い怖い怖い・・・・
郁人君の謝罪の声なんて耳に入らないくらい怖かった。郁人君が嫌いなわけじゃない。ただ、怖かった。怖かったんだ。
それから少しずつ郁人君はあたしから遠ざかった。
嫌な思いをさせてしまったかもしれない・・・。でも、郁人君だって、あたしが男嫌いだって知ってて・・・。