何故かこれだけ違うものに思えたから。
一瞬開けていいものかと戸惑ったが私は開けた。

そこには…──













幼き頃の私の写真と記憶の片隅に眠っていた今はこの世にはいない初恋の男の子との写真と幾つもの手のこんだアンティークものばかりが綺麗に置かれていた。

「…素敵…」
知らず知らずのうちに呟いた声は余韻を残さず消えていった。
綺麗なアンティークたちに好奇の目ばかり向けてはいたが一番気になったのが硝子に入った赤い薔薇だった。

赤い薔薇の花言葉は"愛"。
薔薇は小さい頃から好きだった。幼すぎて理由は忘れたけれど。