マコトは、自室に響く目覚ましの音で目を覚ました。まったく、今日は日曜日だから授業はないのになんで入ってるんだと思いながら目覚ましのボタンを軽く押すが、軽く押しただけでは目覚ましは鳴り止まない。
マコトはそれにいらついて拳で力いっぱい目覚ましのボタンを殴りつけ、その影響で目覚まし時計は地面に落下し、その影響で電池がはずれて目覚ましの音がやむ。
と、その時部屋の扉がノックされ、淡白な声が響く。

「マコト 起きているか?」
「え、うん」

上着を羽織り扉を開ける。するとマコトより遥かに高い身長――と、いうか、紅く鋭い目が放つ威圧感――が、待ち受けていた。
だが、既にその視線にも慣れた。

「転校生の隣の席という訳でお前がスカイを生徒会に連れて来てくれないか」

マコトより低くて、でも透き通った声。初めて聞いたときはマコトも驚いた。何故なら――

「…なんで僕なの?キノ」
その容姿からして、てっきり、女の人だと思っていたからだ。
生徒会長は、生徒だけでなく、先生達からも頼られている完璧無欠の生徒会長。
(ちなみに普通生徒会長は4年からだが、その完璧さ故に一年生に副生徒会長に生徒会長直々に任命され、二年生から生徒会長を勤めているすごい人だ。)

容姿は長髪(後ろで結んでいる)に髪の色は珍しい色のひとつとされている漆黒、(しかも染めているのではない)男には到底見えない中性的な外見、美しい顔立ち。これで女の人だと思わない人がいたらみてみたいとマコトはつくづく思っていた。