廊下。
スカイと、マコトしかいない。

《あの生徒は何処かおかしいですね》
頭の中への声で、アユミが話しかけてくる。
何故か頭の中で答えるとあちらに聞こえているようなので、マコトも頭(心)の中で答える。

《そう?》
《ええ。なんというか…》

「マコト」

声をかけられた事に気がつき、マコトはあわてて振り返る。

「な、何?」
「お前は、何故問わないんだ?」
「へ?」

少し考えて、やっとわかった。
クラスの皆は殆どスカイに、髪の色の事を問うらしい。
銀色の髪なんて、珍しい。
隣の席なのだから、イヤでも聞こえてきた。
どこからきたの、とか、とくいなきょうかは、とかの質問にまじって
スカイの場合は多かった。
そのかみはどうしたの、かみはそめてるの、とか。
だけど、マコトはそんな事聞かなかった。
それが不思議だったのだろう。
そして、その言葉から、ほかの学校でも聞かれていたことがわかる。

「何でって…別に聞くほどのことじゃないんじゃ」
「いや、お前も知りたい筈だ」
「…」
「人は無知なくせに、知りたがるからな」
「……いや、そんないきなり論理的なこと言われても」

銀色の瞳にずっと見つめられているのに、何故かその視線は痛くなかった。

「だってさ、そんな、嫌じゃない?気にしてることだったらなお更」
人と違うことを、
人に示唆される。
例えそれが純粋な興味だったとしても。

「……」
スカイは唖然とした表情をした。
そして、