なかなか動かない私の頭の中。
 
『坂本くん』を探すけど一向に思い付かない。
 
 
 
「ごめん…分かんない……」
 
 
 
私は素直に謝る。 
 
 
だって自分の事、しかも同じクラスなのに覚えてないなんて、悲し過ぎるでしょ?
 
 
 
「いいよ。
オレ学校じゃこんなじゃないし、分からなくて当然って感じ?」
 
 
 
坂本くんはククッと自分で納得したかの様に笑った。
 
 
……?…
 
 
 
未だ状況の分からない私は、何も言えずに坂本くんを直視したまま首を傾げる。
 
 
 
そんな私を見て坂本くんは少し考え、何かを思い出したのか、口を開く。
 
 
「ほら、先週の進路講習会の時、隣に居たっしょ?」
 
 
 
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