なんとはなしに呟きながら、シート脇に置きっぱなしだったケースから、メガネを取り出す。

かけているとウィンドウが開き、右のスクリーンに支倉が映った。

『今回の作戦だ』

「うんー、はいはいぃ」

『敵は一体。ワイアームと見られる。体長は計測で三キロにも及ぶ、まさしく怪獣だ』

「うんうん、そう聞いてる。東海林中佐も泡食ってたわ」

あれは今思い返してもおもしろいので、ついにやけてしまった。

ガゴン、と機体が震動し、移送が開始される。巨人がレールの上を、ゆっくりと進み始めた。景色が滑る。

『さすがのギルディウスと言えど、それほどの巨大生物との戦闘は厳しい。よって、ギルディウスはB型装備に換装しての出撃となる。――レン?』

「うんにゅ?」

『お前、狙撃、銃撃の腕は?』

「へへへぇ」

得意気に、笑ってみせる。

「任せてよ。こちとら、上官への悪態がなければ中佐相当官も目じゃないと言われた天才少女でしてよん」

『そうか。期待している』

それでいったん、支倉との通信が途切れる。再び繋げられたのは、管制室からだった。

四人いるオペレーターのひとり、茶髪の女性・間宮が言ってくる。