「有坂くん!!」

私は息をちらしながら叫んだ。

「有坂くん!」

「………ぉ!浅倉ちゃん!」

「……浅倉ちゃん?」

「お前の名前やん!」

「あ…浅倉ちゃん…
まあ…ぃぃや。あのさ!
昨日のお返しを」

私は下を向きながら言った。

「……じゃあ!!ほらあのパン!」

有坂くんが指したのは
昨日と同じパンだった。
人気のないパンだから
まだ4つくらい残っている。

「あのパン!!半分ちょうだい!」

「わかった。」

私は購買の列に並び
そのパンを買った。

「はい、、このパンだよね?」

「おぅ!!ありがとうな〜」

「なんでこんな人気のないパン
好きなの〜?」

「俺はこれが好きやねん」

なぜか私はその言葉を聞いて
ふきだしてしまった。

「なんだよ!?」

「ぃや…有坂くんって
面白いんだね〜」

「大阪人をなめんなよ〜」

そう言い有坂くんは
階段を上がっていった。