梓は、逃げた。
走って。
走って。
走って。

結局、サッカー部で鍛えている人には、敵わなくて。
「最悪・・・」
そう呟いた。
全力で走ったため、息が切れている。
「大丈夫か?」
慧は、苦笑いしてこっちをみていた。
「まあ…てか、なんで息が切れてないの!?」
慧を指差す。
「だてにサッカー部してません。」
まっすぐと梓をみて、笑った。
「あっそ。」
梓は、観念してクラスに戻った。