『っ…ダメだ…泣いたら……っ…』
梓は、少し上を向いて階段をかけおりた。
渡り廊下まで来ると、端の方に座った。

「ハァ……」
深くため息をついて、めをとじた。
吹き抜ける風が妙に心地よかった。

少しすると、涙も引っ込み、気配がなくなった。
そして、チャイムギリギリに教室に戻った。