慧の視線が気になったが、気にせずに歩いた。

雨のせいで、地面が泥濘、足元が、おぼつかない。


「!!。こける」
梓が、千幸につかまろうと、手をのばす。
「あぶねー。」
だが、目の前にあるのは、千幸ではなく洸だった。
「あ、ごめん」
恥ずかしくなり、パッとはなれた。
「大丈夫か?」
「う…うん。」
梓は、下を向いた。
自分でも、顔が赤くなっているのがわかった。