どうしよう…


逃げ場がない。



気づいたら後ろには壁で。


ひんやりと壁が冷たい。



あたしの顔の横に優哉の手が置かれた。



「優哉。授業始まるよ?」


逃げようと思って


話をそらしてみた。



…けど


「もう始まってる。ってゆうか話そらすな。」



まぁ、何とも冷静なお方で。


あたしに逃げ場はないみたい。



優哉の顔が近づいてくる。


あたしを見つめるその優しい瞳に


吸い込まれそうになる。



あたしは逃げることを諦め


目をそっと閉じた。