今の優哉の顔は、完全に鬼だ。


危ない…


心からそう思った。




「優哉。落ち着いて。ね?」



あたしは必死に優哉をなだめる。


「やだ。」


やだって…


あんたは子供か!!



…って言いたいところだけど


今言ったら確実にヤバい。


何も考えずにそんな事を言うほど


あたしはバカじゃない。



「栞――。」



優哉の顔が近づいてくる。



「ちょっ…待って!!」


あたしは必死に優哉を押したけど


びくともしなくて。




優哉とあたしの間があと数センチ…



あたしは、とっさに目をぎゅっと閉じた。